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日本では数百万人もの人が便秘に悩まされていますが、体質の一つと捉えて放置している方が少なくありません。
しかし、便秘のタイプや具体的な症状によって、必要となる治療法は大きく異なります。
市販の便秘薬に頼って悪化してしまうケースも珍しくなく、自己判断による対応には注意が必要です。
当院の便秘外来では、それぞれの患者さまの体質や症状に応じて最も適した治療を提案し、日常生活の質の向上を目指しています。
便秘は「スムーズな排便ができない状態」と考えると分かりやすいでしょう。
理想的な排便とは、自然に便意を感じてトイレに行き、短時間で無理なく排便でき、排出後にスッキリとした感覚がある状態です。
この条件が満たされていれば、たとえ2日に1度の排便でも問題ありません。
反対に、毎日排便があっても、排便に苦痛を伴ったり、便が硬くて出にくかったり、残便感がある場合は便秘といえる可能性があります。
また、便を出すために薬や浣腸が必要だったり、腹痛やお腹の張りを感じる場合も、便秘の一症状です。
便秘の原因は多岐にわたり、腸の動きが鈍くなることが基本的な要因です。
その背景には、運動不足や水分不足、ダイエット、食物繊維の摂取不足、生活習慣の乱れ、ストレス、服用している薬剤の影響などがあります。
たとえば、平日は時間に追われて排便のチャンスがない、旅行中は出にくいといった例では、自律神経のバランスや心理的なストレスも関係していることがあります。
また、便意を何度も我慢していると、徐々にその感覚自体が鈍くなり、排便のタイミングを逃すようになって便秘が慢性化してしまうこともあります。
薬による治療には、段階的な目標(4つのステップ)があります。
①肛門近くに詰まっている便の塊(便塞栓)があれば、まずはこれを取り除きます。
②取り除いたあとは再び詰まらないよう、便の通過をスムーズに保ちます。
③我慢せずに排便する習慣をつけ、しっかり出し切ることを目指します。
④治療薬を徐々に減らし、最終的には薬に頼らず排便できるようにします。
治療を途中でやめてしまうと再発しやすいため、長期間(ときには数年単位)で計画的に取り組むことが重要です。
外来では、便秘のメカニズムや生活で気をつけるポイントについても丁寧にご説明します。
子どもの便秘には、緊張や睡眠不足、生活リズムの乱れ、ストレスなどが背景にあることがよくあります。
規則正しい食事や水分補給に加え、決まった時間にトイレに行く習慣をつけることが改善への第一歩です。
ご家庭と連携しながら、子どもが自然に排便できるリズムを整えるよう支援していきます。
便秘は見過ごされがちですが、「いつもお腹が痛い」「トイレに行きたがらない」「排便時に泣く」といったサインは見逃せません。
「これって便秘かも…?」と感じたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。